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日本では、本格的起業家が足りない、と言われる。
その通りだと思う。
「なんちゃって」社長は勘弁してほしい。
起業とは、まっとうな社会性を持ち、私利私欲を超え、自己の想いを社会に反映させる経済活動だ。
期待を超える仕事を考え挑戦するのは、当然のこと。ましてや、どうしてもできなかったならまだしも、現実逃避で信用を裏切ってはいけない。
例えば、たまに出没する、突然、何の連絡も取れなくなって廃業している、なんて、実に迷惑だ。
よほど資金繰りに行き詰ってというなら、まだ同情の余地もあるが、最近は、実に少しの苦しみで消息不明になる、「ひきこもり」社長が増えたようにも見受けられる。
私は、起業しておかげ様で10年目を迎えた。
当初は何度も廃業危機があったし、何度も諦めかけた。
その間、生涯忘れられないであろう、みじめさも痛感してきた。
犠牲にしたものも、本当に重い。
想いをめぐらすと、今でも目頭が熱くなり、胸が苦しくなる…。
とにかく、何を犠牲にしようと、どんな罵声を浴びようと、どんなに貧乏しようと、私は諦めなかった。
いや、諦めることを許せなかった。
クリアしているからこそ今は書けるが、夢を追い続けた、なんて、キレイには言えない。
「他の道は俺にはない。」という深い確信に支えられ、同時に縛られ続けてきた。
あなたは、どれほどの想いが起業におありだろうか。
想いは人それぞれだろう。
半端ない強い想いがなければ、と私は思うし、ブームに乗せられて現実逃避で起業するなんて論外だ。
会社員時代、落ちこぼれだったまま起業して、上手くいくだろうか。
抑圧されていた才能が開花して、上手くいく人もいるだろう。
それなら凄い。
しかし、負け癖を克服していなければ起業家などできない。
何かしら、心から共感してくれる起業家となら、ビジネスマッチングも意義がある。
調子だけは良い「なんちゃって」は、ビジネスにはならないのでご勘弁願いたい。
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