時代は民間によるコミュニティ創出を求めている。 ビジネスマッチングとは?

By: CeBIT Australia

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 地域に根ざした事業展開は、起業家なら誰もが考え実践しようとするだろう。
 
今日のように、ここまで市場が多様化し、顧客ニーズも細分化されていると、一社独自の経営資源だけでは対応しきれない。

 

  だからといって、昔ながらの商売だけでは生き残りすら難しく、事業主なら新たな取組みを模索していることだろう。

 

  しかし、その視点が昔ながらでは、結局、何かしらの垣根を乗り越えられず、消耗し先細りしていく危険性が強いと考えられる。
 起業家や中小企業ならではの販促手法を駆使し、売上を挙げることは重要だ。

 

  他社に依存しない新規開拓力を持つのは、とても大切だが言うほど容易いことではなく、実践できる事業主は限られるし、どうしても天井があるのも否めない。

  そこで「コミュニティを創り出すこと。」がキーポイントとなってくる。

 

  特に関西では、人間同士の横の連携により生き残り発展しようという慣習が根強い。

  新たな時代に適した連携のためには、各自が今までとは違った柔軟な視点を持つことが肝要だ。

 

  自社のことばかりしか考えられないようでは、横繋がりの連携はなかなか稼動しない。「互恵互利」な発想と取組みがその肝となる。

 経済産業省においても、民間によるコミュニティビジネスやソーシャルビジネスを推奨し、様々な施策も打ち出されている。

 

  だが、それらを活用するのか否か。

 

  活用するにしても、より具体性があり、綿密な戦略と戦術が必要になる。

  資金調達目当ての取組みではなく、あくまで継続性の強い地域貢献を目的に取り組むべきだ。

 

  かつて、起業独立を推奨する行政の施策も多く出されていた時代があったが、起業家ばかりが増え、その後、廃業者も数多くなっているのも現実だ。

 「コミュニティビジネスとは、地域の課題を地域住民が主体的に、ビジネスの手法を用いて解決する取り組み」(経済産業省)とあり、地域再生を目指し、遊休地域資源を地域の魅力に転換する手法や観光コミュニティビジネス、環境整備等が主に取上げられているが、これらに限ったことではない。

 

  地場産業を盛り立てていく、ビジネスマッチングを目的とする異業種交流コミュニティも重要ではないか。

 

  提携または協業により発掘できる市場は明らかにあるし、異業種同士であれば互恵互利に顧客の共有化も図れる。

 

ビジネスマッチングとは、直接的な顧客探しだけではない。

 

 コンサルティング的に考えるなら、異業種同士の連携チームにより、顧客に対しワンストップサービスを創り出すこともできるし、既に取り組んでいる事業主も多い。

 

 個々の企業では持ちえない経営ソースを提供しあうことで、顧客によりトータルで便利なサービスが提供でき、各関係企業には売上向上という産物が創り出せる。
 

 この継続的な実現は、なかなか大変で成功事例は少ないようだ。

 

 その根幹には、どうしても自社のことばかりに思考が行ってしまう、という、当然といえば当然のメンタリティを乗り越えられない点に要因が大きい。


  「余裕があれば・・・。」行うことではなく、余裕がないからこそ取り組むべき手法なのだが、そこで継続できる人材となるか否かで、将来に対し大きな分岐点となるだろう。

 

 思考の転換は容易くないが、自らがコミュニティの基軸となることで継続的に得られるメリットは多いのだ。
 

  著者にしても、複数の異業種コミュニティを立ち上げた経緯で信用されやすくなり、何ら営業せずとも仕事は取れた。

 提携メニューも増やせたし、プライベートの充実にまで繋げられた。

 その人間関係は、5年以上経った今、かけがえのない財産となっている。
 

 今、思えば、目先が苦しかったからこそ、目先を大事に動きつつ、苦しい中でも先を見据えたアクションが効を奏したといえる。

 

 すぐに元はとれずとも、長期的に見れば、充分以上の利益にも繋がっている。これらは最初から計算できたことばかりではなく、結果として、予想以上の見返りになったというのが正直なところだ。

 理想を語りたいわけではないが、他者の為に動く人材にはめぐりめぐってくるものがあるというのを、読者各位にも実感していただきたいし、有形無形に自身が学ぶものも多い。

 

 そのような位置に自らを持っていくためには、「お山の大将」にならないことも大切なようである。

 特に、異業種交流コミュニティの主催者にはありがちなのだが、経営者同士の集まりにおいて、「お山の大将」になっても参加者には不快にしか写らないし、徳もなくリーダーシップとは言い難い。
 

 このような思考を持てる事業主陣との連携は大歓迎だ。
 

 

ビジネスマッチングは、上手くいかない場合が多いのは何故か。

 

 繰り返しになるが結局、つい自分の目先を優先してしまうからではないのか。

 実際は多くの要因があるが、「Win-Win」(両者とも勝つ)を目指すのは甘くない。

 『7つの習慣―成功には原則があった! 』(スティーブン・R.コヴィー(著), ジェームス スキナー(著), Stephen R. Covey(原著), 川西茂(翻訳)/キングベアー出版)では、「Win-Win」にならないパターンとして、以下が挙げられている。

 

 解説は著者の言葉でわかりやすく説明する。

 「Win-Lose」 片方が勝って、片方が失う。支配されるようなこと、
 「Lose-Win」 片方が失って、片方が勝つ。自己犠牲のようなこと。
 「Lose-Lose」 両方とも失う。何の実りもない。

 細かく言うと、もっと多岐に渡る。

 まずは、知らず知らず、どこか甘えた依存は絶対にNGである。

 

 

 

そもそも、ビジネスマッチングは、なぜ必要か。

 

 

 「自社利益が上がっているから、他社と組まなくても良い。」、または、「自社利益を挙げるのが大変で考えている余裕がない。」と言う人がいる。

 

 確かにそうだ。もっともだ。

 だが、これはビジネスマッチングの効果を舐めていないか?

 まず、このご時世、いつまでも今の枠のままで大丈夫なのか。

 まさか、「ウチは10年後も今のままで大丈夫。」なんて言う起業家は皆無だろう。

 売上を上げ続けるには、今まで以上にボーダレスな動きが求められる。

 現在、保有しない経営資源を、自社の力だけで補完していけるか、となると、有効な他社と手を組む取り組みは、今まで以上に必要になる。


 信頼できる起業家同士、互いに補完しあい、アライアンスプロジェクトを通じ高めあっていくアクションは、とても価値がある。

 自社は何よりも大事だからこそ、更なる拡充・拡張をはかるため、思考をブレークスルーさせようではないか。

 売上だけではない。

 売上の前に起業家としての資質を伸ばす取り組みも重要だ。

 売上は、その後についてくる。

 ファッションではない品性や感性を育てる心構えが大切だ。

 経営ソースだけではなく、自社内や同業、取引先には言えない悩み・苦しみも相談できる相手がいると、心強いではないか。

 これは人生の宝である。決して、一朝一夕に創れるものではない。
 引退してからも付き合える人間関係を目指したい。
 

 単に仲の良い呑み仲間というだけでは、なかなかそこまでいかないのではなかろうか。私は、本当に相談しあえる仲間とは、何かしらビジネスを通じて分かりあうことからできる、と思う。

 

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