「守・破・離」とは、およそ600年ほど前に能の世阿弥(ぜあみ)が説いた「風姿花伝」(「花伝書」ともいう)のなかで展開した芸能論の一部です。
能や歌舞伎などの稽古事で物事を学び、表現をしていくための重要な成長ステップです。
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「守」 ・・・最初は、師の教えを清濁併せ呑み、「型」を忠実に「体現」出来る様に取得する。
例) 端の持ち方。格闘技の型。自動車の運転の仕方。
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「破」 ・・・守で学んだ基本に自分なりの工夫を加え、自分にあった形で打破する段階。
- 「離」 ・・・離れていく。基本を中心に添えながら、形にとらわれず試行錯誤して見えてきた、自分独自の仕組みや体制を創りあげていく。
10年後も20年後も、独立独歩の事業主として生きていく為には、小予算マーケティングについても、この「守・破・離」というプロセスは必須なのです。
カンタンに言えば「知っている」と「ワカル」は違いますし、よく言われるように「ワカル」と「デキル」も全く次元が違うのです。
まず模倣から入るのは、大事なステップです。
しかし、それはサルマネではなく、最低でも人まねレベルにまで引き上げなければ、変化の激しい現実には通用しません。
更に人まねレベルでも、その効果には、すぐに天井があります。
「守・破・離」を徹底し続けてこそ、コンスタントに高反応が得られる広告展開が可能になります。
例えば私は、このプロセスのためだけに、軽く高級車3,5台分の資金は使ってきました。
最初はわかっているようでわかっていなかったのです。猿真似でしかなかったのです。
そのプロセスを執念で繰り返すことにより、じわじわと広告の反応率は上がり、あるときから、まず広告でダメだったという結論に至るケースは、ほぼ皆無に近い状態となったのです。
私がそこまで苦労したのは、今ほど、感情マーケティングが浸透していなく、情報も限られていたという違いもあるでしょう。
今なら、ここまで苦労せずとも、コンスタントに広告反応率は得られるようになれる情報は、豊富にあるように見えます。
ただ何にしても、表面だけをなぞらっていては、どれだけ情報源があろうとも、時間・労力、そして大切な資金の浪費になってしまうということを、全ての根幹として、何度も自らに言い聞かせてほしいということです。
・・・ サルマネになっていませんか??
その販促物は、例えば、WEBサイトやセールスレター、ダイレクトメール、フライヤーなどに使っている表現は、本当にあなた自身のビジネスを伝え切る分身になっていますか?
その為にはサルマネではなく、最低でも人真似にまではしないと話になりません。
更に、人真似を超えて、本当に伝わるオリジナルにまで引き上げられてこそ、あなた自身を投影して、一人歩きする分身となります。
インターネット上の販促マーケティングにおいても、中小企業で取り入れやすいWEBサイトやブログの立上はよいのですが、どのように「思い」や「ミッション」が伝わるものに引き上げるか、にまで至らず、結局、期待する効果には程遠いという結末で諦めてしまう。
そして、目先、上手くいくように見える「ノウハウ」らしきものを新たに見かけると、つい、すがってしまう。 広く浅くは知っていても、実践の効果には結びつかない。
たまにいらっしゃいますが、知っている・学んだというだけの、まるで研究者のように知識をどれだけ持っているかを誇る話や自分に夢中になり、実際は生産性がかなり低いというケースもあります。
このような繰り返しでは、仮に売上が上がっても、瞬間最大風速、砂上の楼閣のようなもので、継続的な業績には繋がらないのではないでしょうか?
— あなたが求めるものは何でしょうか? —
あなたが誇る良い商品・サービスを、「情熱の伝わる各種販促物や文書を、きっかけにターゲットや取引先に認知していただき、 関係性を深め、知らず知らず感動を覚えていただくこと。」
新規開拓ならば、「効率的にターゲットに伝え、購入契約していただいて顧客となっていただき、活用していただくことで、喜びや恩恵を得ていただくこと 。」ではないでしょうか?
つまり、「ただ売れれば、それでいい」などということではないはずです。
実質的にターゲットや見込み客・既存顧客・関係先のお役に立つこと、価値ある影響を与えることに他ならないはずです。
その上で、御社の売上を向上させ、正しい利益をもって正しく社会に役立っていくことこそ、経営の重要な土台ではないでしょうか?